こんにちは。CEOの@nari_exです。
TopotalはSREを主軸にしたスタートアップです。SRE Kaigiの第一回が行われるということを知り、全力で応援したいという想いからプラチナスポンサーとして協賛させていただきました。
SRE Kaigi誕生のモチベーションである 「SREについて発表する場がもっと欲しい!」 という想いは、いちコミュニティメンバーとしてとても共感しました。また、その想いをカンファレンスというかたちで実現する実行力を心よりリスペクトしています。
本記事では、わたしが発表したセッションの背景とTopotalのブースの様子を書いていきます。
セッション
プラチナスポンサーの特典として、スポンサーセッションの機会をいただきました。これまでの経験ではスポンサー枠は10〜20分程度のことが多かったのですが、今回はドーン!!と30分枠を用意いただいたので、聴き応えのある講演になるようにしっかりと準備をして挑みました。
また、スポンサーとしての発表ではありますが、Waroomの宣伝を全面に出すのではなく、インシデントマネジメントの新たな知見の発信にフォーカスしました。このスタンスはTopotal創業時からずっと変わりません。
本セッションのメイントピックは、インシデント関連メトリクスの定義と活用です。
わたしがWaroomのPdMとして可視化機能の仕様を考えるにあたって、調べたことや考えたことを惜しみなく伝えることを意識しました。
当時の自分の悩みは「価値のあるメトリクスを提供するにはどうすればよいか」という問いに対して明確な回答がないことでした。
少し調べれば、TTRやTTAなどのメトリクスの具体例はいくつも出てきます。メトリクスの粒度を細かくすれば扱いやすくなることは直感的に理解でき、提供イメージも思い浮かぶため、すぐに実装に飛びついてしまいそうでした。でもこの段階では、どんな価値を生み出すのかまでは言語化できていませんでした。
価値がぼやけた状態で開発をすると、使われない機能になってしまうことは過去に何度も経験してきたので、同じ轍を踏まぬように思考の整理に取り掛かりました。
「MTTRは改善指標として役立たない」という主張は、今回の悩みを直接的に解決するわけではありません。それでも資料の前半にこの話題を持ってきたのは、聞き手にも「どんなメトリクスが役立つか」について興味を持ってもらいたかったからです。
当時の自分は、データ分析や論理思考の基礎に立ち返り、目的と手段の整理を行うことで悩みに向き合いました。
結果として、インシデントメトリクスの活用シーンであっても、以下のような一般的なデータ分析の分類から思考をはじめるとよいことに気づきました。原点回帰というやつです。
- 明確な仮説を検証する(仮説検証型分析)
- データから傾向を掴み、課題や仮説を発見する(仮説探索型分析)
思考の流れを整理したら、あとは実際のユースケースをもとに抽象と具体を行ったり来たりしながら「実践的なメトリクス活用」のあり方を言語化すればok。変動性が高いこともインシデントデータの大きな特徴の一つなので、丁寧に説明を加えました。
最終的には、MTTRがなぜダメなのか、よく目にするTTXメトリクスはそれぞれどの程度の価値があるかなど、複数の課題を整理しながら一つの発表資料にまとめることができました。
改めて、メトリクスを価値あるものにする ためには、「仮説の検証」または「課題の発見」に役立つかどうかが鍵になります。この視点を忘れずにインシデントメトリクスの定義や活用をすることをおすすめします。
今回の発表が少しでも誰かの役に立てば嬉しいです。
ブース出展
ブースでは、インシデントマネジメントSaaSのWaroom(ワルーム)のノベルティ配布とデモによる機能紹介を行いました。
Waroomをはじめて知った方だけでなく、以前からWaroomを応援していただいている方にも来ていただき、おかげさまで大盛況となりました。
来場者アンケートでは「今一番困っているインシデントレスポンスの課題」を募集しました。まだ集計途中ではありますが、「属人化」と「アラートノイズ」と「オンコール」がパッと見た感じは多そうでした。
これらの課題領域にきちんと切り込んでいけるように、開発をガンガン進めていこうと思います💪
また、初の試みとして書籍「SREをはじめよう」のプレゼント企画も行いました。この書籍は、SRE関連の書籍の中でも特におすすめしたい書籍の一つです。
より多くの人の手に届くように、今後も各所で推薦していきたいと思います。
今回もアンケートやディスカッションを通じて、貴重な意見をたくさんいただくことができました。ありがとうございました。フィードバックをもとにWaroomをよりよいプロダクトにしていきたいと思います。
イベントの感想
参加者・スピーカー・スポンサーの3つの観点で大満足のイベントでした。
初回にも関わらず、すばらしいカンファレンスになったのはひとえにスタッフのみなさま、そしてSREコミュニティのみなさまのおかげです。
貴重な機会をありがとうございました。
これからもTopotalは、Site Reliability Engineeringを加速させるサービスの提供はもちろん、コミュニティ活動も積極的に行いながら、業界の発展に貢献していきたいと思います。
今後ともTopotalをよろしくおねがいします🙏
最後に
おかげさまで、カンファレンス直後からさまざまなお客様からWaroomのトライアルのお申し込みやデモ依頼をいただいています。この記事を読んで興味が湧きましたら、以下のリンクから気軽にリクエストをしてください。
また、TopotalではSRE as a Serviceをともに提供するSite Reliability EngineerやWaroomを開発するバックエンドエンジニア(Ruby on Rails)を募集しています。SREのプラクティスを用いて世の中の開発・運用の現場を一緒に変革していきましょう。ご応募お待ちしております。